帰ってきたヒトラー』を観てきました。なんか思いの外お客さんが多くてビックリ!

帰ってきたヒトラー』1945年にベルリンの地下壕で自殺したと思われたアドルフ・ヒトラーが2014年の現代にタイムスリップして蘇るという映画です。
実のところ、ヒトラーは生きているという説が第二次大戦後も根強く残っていて、親ナチ派の南米アルゼンチンでナチスの高官(ヒトラーの側近だったマルチン・ボルマンら)が何人も生き延びていたこともあり、ソ連軍はヒトラーが死亡したという証拠を出せず、庭で焼かれた遺体の歯の治療跡を、ヒトラーの歯科医の記憶だけを頼りに鑑定したというあやふやなもので、ヒトラー生存説ヒトラー逃亡説がいまだに根強いのもヒトラーの遺体が見つかっていないからです。

Wikipediaより -アドルフ・ヒトラーの死 -
『ソ連崩壊後の1993年に、KGB(FSB)が、KGBの元メンバーによる公的検死記録その他の報告書を公表した。これらにより歴史家は、ヒトラーとエーファの遺体のその後について見解の一致に達した[20]。1993年にロシア政府は、ヒトラーの下頤骨と、銃弾の痕のある頭骨の一部を、モスクワにあるロシア連邦保安庁(FSB)の公文書館が保管していることを発表した。アメリカ・コネチカット大学のチームがロシア政府の許可を受けて頭骨のDNA鑑定を実施したところ、この頭骨は女性のものであるとの結果が出たという』

そうした史実を背景に、ヒトラーが現代にタイムスリップという荒唐無稽なコメディ映画、の筈だったのですが、映画の中ではドイツの抱える移民問題や少子化や貧困や失業などを取り上げており、ヒトラーを民主的に選挙で選んでしまったというドイツ国民の抱える業、歴史上の汚点から言いたいことも言えない風土をコメディという形でヒトラーに代弁させることにより、ドイツ国民の溜飲を下げる効果があったのではないでしょうか?

群衆の中にヒトラーの格好をした役者(オリヴァー・マスッチ)を放り込み、アドリブで撮ったシーンが幾つも登場します。合計380時間も撮ったそうです。
ドイツでは禁じられているナチス式敬礼をする一般人もいて、ヒトラーの存在を許容してしまう現代のドイツ国民の姿から本音と建て前が垣間見えた気がします。