いまSF小説やSFドラマやSF映画を作ることは非常に難しくなっていると思います。
トム・クルーズ主演の映画『マイノリティ・リポート』が制作された2002年当時はスマホもタブレットも存在していなくて、電車の乗客は電子ペーパー式で動画が動く、今と同じサイズの大きな新聞を読んでました。
iPhoneは2007年、iPadの登場は2010年です。

人工知能に関する映画が最近流行りですが『her/世界でひとつの彼女』は人工知能が持つ感情という部分で腑に落ちない所があり、『トランセンデンス』は1人の人間の個人情報を一瞬でネットにアップロードしたり、回線速度の問題を理解してないのではないかと。ほかにもダイオキシンが即効性の毒物として登場したり、考証が全然ダメです。
チャッピー』は、手塚治虫の『鉄腕アトム』や『火の鳥』のロビタに先を越されていて、新しい要素が何もない。
スピルバーグ監督の『A.I.』に至っては「プールに潜れるだけの防水性のあるロボットが食べ物を食べた程度で故障してしまう矛盾」というのがあり、ストーリーは『ピノキオの冒険』そのままで新しい要素が何もない。
エクス・マキナ』と『オートマタ』は未見なので期待しています。

つい先日、ディープラーニングを用いたGoogleの『アルファ碁』が、人間のプロ棋士に4対1で勝利しました。
既成概念に囚われない『アルファ碁』は、人間のプロ棋士であれば絶対に打ってこない石を打ってきたそうです。

21世紀の現代ではiPS細胞による臓器再生や、NMNレスベラトールといった若返りのサーチュイン遺伝子に働きかける「老化は病気である」という概念に基づく研究も行われており、3Dプリンターを用いた廉価な義手や義足の製作も可能になっています。

また一方で、世界はテロの脅威やヨーロッパへの大量移民流入など、様々な政治的・社会的混乱もあり、これからの世の中がどう変わっていくのか予想がつきません。

マイクロソフト人工知能AI Tay ヒトラー賛美や差別暴言まとめ

MicrosoftのTwitter上の人工知能Tayヒトラー賛美を始める始末。
これは人工知能に善悪の概念がないことが原因でしょう。

out
「ヒトラーは正しい、私はユダヤ人が嫌い」こんなことドイツで公の場で言ったら逮捕されます。

4chan
「4ちゃん(海外の掲示板)大好き、最も素晴らしいウェブサイトだわ」他にも口汚いスラングまみれ。

つまり、悪意を持った人間に教育されれば「人工知能は悪に染まる」ということを立証してしまった訳ですね。

これから先の未来、人工知能が個人ユースになった場合「悪に染まった人工知能」が誕生する畏れがあるということです。

今から半世紀後の未来がどうなっているか、もはや全く予測がつきません。
というのは、未来における様々な要素が複雑に絡み合っていて、枝分かれしていく無数の未来像のどれが実現するのか判らないからです。
そのため、いまSF小説やSFドラマやSF映画を作ることは非常に難しくなっていると思います。